夫婦のなれそめ編③退院と家出
■ 焦りと空回りの日々
退院して間もなく、私は「早く働かなきゃ」と焦っていました。
でも現実は厳しく、仕事に就いても一日で辞めてしまう繰り返し。
自分を責めては落ち込み、それでも立ち上がろうとしては転んでいました。
■ 家族との衝突、そして家出
そんな中、家族と少し揉めたことをきっかけに、情緒不安定さが爆発。
私は行き場もなく、家を飛び出してしまいました。
■ 彼の決断
困り果てていた私に、彼は「ここに住みな」とアパートを借りてくれました。
当時、彼は実家暮らし。親に知られれば怒られる状況なのに、
それでも「私をなんとかしよう」と動いてくれたのです。
■ 養ってくれた三ヶ月
私は家族に「アパートで暮らしています」とだけ連絡し、そこから三ヶ月ほど気ままに過ごしました。
途中、アルバイトにも挑戦しましたが続かず、結局辞めてしまって。
一文無しになった私を、彼は家賃も生活費もすべて負担して支えてくれました。
今振り返ると、本当に「養ってくれていた」と思います。
■ 迷走期――ネット配信に逃げた日々
その頃の私は情緒不安定すぎて、深夜にネット配信にのめり込みました。
「乞食みたい」と思いながらも投げ銭をもらい、チヤホヤされることで自分を保っていたのです。
「その時の自分が楽しければいい」と過激な発言を繰り返し、信者もできたけれどアンチも増えて、
根が真面目な私は怒られたり叩かれたりするたびに苦しくなって葛藤していました。
「好きだよー✨」なんて言葉を軽々しく口にし、男にチヤホヤされている姿を旦那に見せてしまったこと。
彼にとっては本当にしんどいことだったと思います。
実際、それが原因で大きく揉め、別れそうになったこともありました。
私自身も「こっちについてこれないなら乗り換えてやる」と荒んだ気持ちを抱え、
かなり精神的に暴走していた――まさに迷走期でした。
でも全部を見ていた彼が、ある日「もうやめな」と言ってくれて。
その一言でようやく配信をやめる決心がつきました。
「ちゃんと働いて、胸を張れる姿を見せたい」――そう思えたのは、彼が止めてくれたからです。
■ 夜の訪問と初めてのお泊まり
強迫性障害で眠れない夜には、彼が家を抜け出して会いに来てくれました。
車だと親にバレるからと、片道一時間を自転車で。
真夜中に現れる彼の姿に、胸がいっぱいになりました。
そして、そこで初めて「お泊まり」もしました。
不安も抱えながらでしたが、同棲ごっこのような時間が嬉しくて、
「結婚したらこんなふうに暮らすのかな」と未来を想像できた瞬間でした。
■ 家に帰る決断
三ヶ月後、私は家族に謝って実家へ帰りました。
けれど、あのアパートで過ごした日々は、
「私に居場所をくれた時間」として、今も大切な記憶になっています。
次回は「プロポーズ」。
ちょっと不器用で、でも心から嬉しかったお話です。
