怖くても、生きていける

〜強迫性障害と発達障害と共に歩んで〜
■ 学生時代からの違和感
小さい頃から、人と馴染めない生きづらさを抱えていました。
不登校や先生から叱られる経験も多く、学力も低く見られていました。
当時、私はこっそり精神科に通ったこともありますが、親にばれて怒られました。
今思えば、親も「どう接していいかわからなかった」のだと思います。悪意があったわけではありません。ただ、当時は認めてもらえない苦しさを感じていました。
いつもめまいがあり、痩せすぎて健康診断で心配されるほど。晩ご飯の時間になると体調が悪くなり、少し食べて隠して捨てることもありました。
「自分はおかしい。隠さなきゃ」――それが私の毎日でした。
■ 社会人になっても続いた体調不良
大人になっても、状況は変わりませんでした。
職場ではめまいや体調不良が突然出て、仮病だと思われるのではないかと不安でした。
旅行や新幹線の移動後はご飯や水が怖くて取れず、喉の異物感や息苦しさ、パニック感に襲われました。
典型的な強迫性障害の症状――その時の私はまだ、そうとは知りませんでした。
■ 転機となった診断と入院
3年前、職場で強いパニックが出て泣きながら帰宅。
病院に行ったその日、初めて「強迫性障害」と診断されました。
さらに精密検査のための入院で「多動性発達障害」も発覚。
薬が怖くて飲めない私にとって、病院に入院できたことは安心でした。
少しずつ症状は和らぎ、退院。
そして今の先生に出会い、同じ病院に3年間通い続けています。
病院を転々としていた私が、ようやく安心して治療を続けられていることに感謝しています。
■ 私が経験してきた「強迫」
強迫性障害の症状を挙げるとキリがありません。
捨てたゴミが気になってゴミ箱を漁ってしまう 時計の時間を数えてしまって何も手につかなくなる 壁の柄を数える 「死ぬかもしれない」と理由もなく思い込む 「こうなるかもしれない」と頭の中で延々と想像してしまう
これらが日常に溶け込んで、普通の行動ができなくなる――そんな毎日でした。
■ 治療と向き合う
「薬は人格を変える」と聞いて怖くて、なかなか受け入れられませんでした。
冷たい態度の先生に傷つき、薬を拒否したこともあります。
けれど今、私が一番効いたと思うのは――
・気を逸らす工夫
・周りの理解
・発作が収まったときの小さな成功体験
・そして“お守り”の存在(救急センターの番号や頓服薬)
認知行動療法も受けましたが、私にとっては「安心できる準備」が何よりも大切な薬でした。
■ 病気と共に生きる
正直に言えば、「怖くない」というのは嘘です。
今でも症状が出ると「怖い」と思います。
でも、「大丈夫」と自分に言い聞かせることで、少しずつ前に進めるようになりました。
医師からはこう言われています。
「完治する病気ではなく、あなたの中にあるもの。再発ではなく、出たときにどう対処するかが大切」
今でも「あれ?また出てきた?」と思う瞬間はあります。
それでも、もう以前のように絶望的にはならなくなりました。
■ これからの夢
私には夢があります。
強迫性障害や発達障害について講演をして、同じように悩む人に「一緒に楽しく生きよう」と伝えたい。
薬が怖くて治療が進まない人に向けて、安心できる体験談や工夫をまとめたサイトやアプリも作りたい。
愚痴ではなく「前向きに乗り越える工夫」を共有する場を目指しています。
■ 最後に
この闘病記録は、苦しみを並べるだけのものではありません。
「どう向き合ってきたか」「これからどう活かしていきたいか」を伝えるものです。
同じように悩む誰かの力になりたい。
そして企業や団体の方とも一緒に、理解を広げる活動につなげたいと思っています。

