夫婦の馴れ初め編②入院生活と彼の支え
■ 診断と退職
彼と出会ったのは12月。
「本当に付き合おう」と決めたのは1月。
けれどその同じ1月、私は強迫性障害と診断されました。
仕事も続けられず、すぐに辞めることに。
不安と自己否定で押しつぶされるような日々が始まりました。
■ 入院の直前、誕生日
2月からは入院。
その直前、私の誕生日がありました。
23歳にして初めて体を重ねました。
「どうせこの先は助からないかもしれない」
「一度だけでも経験してみたい」
そんな生き急ぐような気持ちからでした。
でもそのあと、強迫の症状で後悔と恐怖に襲われました。
「挨拶もまだなのに」
「家族に付き合っていることも言えていないのに」
自分を責め続け、3日ほど寝たきりに。
強い喪失感に支配されました。
■ 入院と孤独
2月、私は他県の病院に入院しました。
病室の窓から見えるのは、小さな庭。
その穏やかな景色とは裏腹に、心はずっとざわついていました。
「家に帰ったら仕事を探さなきゃ」
「これからどうなるんだろう」
家に戻る現実が怖くて、病院の中の方が楽に思えることもありました。
■ 彼の支え
そんな中でも、彼は毎日欠かさず電話をくれました。
「しば美の繊細なところもかわいい」
「絶対大丈夫だよ」
その言葉に救われ、私は入院中なのにアイドル気分。
正直「これは一時的な愛かも」と疑った時期もありました。
けれど結婚した今も、変わらず「かわいい」と言ってくれる彼を見て、あのときの不安が嘘のように思えます。
■ 揺れる心
弱っていた私は、入院中に看護師の先生へ自分から少しアプローチしてしまったこともありました。
「この人に頼った方が楽かもしれない」
そんな気持ちが一瞬よぎったのです。
でも、全部彼に白状しました。
それでも彼は怒らず、穏やかに受け止めてくれました。
その懐の深さに、また心を打たれました。
■ 普通の奇跡
診断と退職、入院直前の初体験と後悔、入院の孤独、心の揺れ。
めちゃくちゃな私を、彼はただ優しく受け止め続けてくれました。
「普通がいちばんええ」
彼の口癖は、どんな薬よりも効きました。
派手な奇跡じゃなくてもいい。
私にとってはこれ以上ない「普通の日々の奇跡」でした。
✍️ 次回は「退院と家出編」。
現実と向き合う勇気が持てず、それでも彼と一緒に選んだ道を綴ります。
