夫婦の馴れ初め編①街コン中止から始まった奇跡
■ 出会いは“街コン中止”の日
「出会いはどこから?」と聞かれると、私たち夫婦の場合はちょっと変わっています。
なんと……街コンが中止になった日から始まったんです。笑
■ イレギュラー=街コン
当時の私は、仕事も体調もギリギリ。
自己肯定感は底をついて、家にいると心が沈んでしまう毎日でした。
でも街コンに行くと、少しだけ現実を忘れられたんです。
ちやほやされて「大丈夫かも」と思えるので本気で彼氏探し、というより「誰かと話す時間」が欲しかった。
でも「付き合う=結婚しなきゃ」という強迫観念が重くて、結局逃げてしまう
そんな矛盾だらけの私にとって、街コンは薬より効く「心の処方箋」みたいなものでした。
■ 運命の中止アナウンス
ある日、駅近くの街コン会場へ。
会場には男性が数名。でも女性は……私ひとり。
スタッフが申し訳なさそうに、
「女の子みんなドタキャンで、今日は中止です」
私は「えーっ」と肩を落としました。
でも、その瞬間、運命が動きました。
階段をゆっくり降りていた私に、ひとりの男性が声をかけてきたんです。
「今日は残念でしたね。よかったらLINE交換しませんか?」
その人こそ、のちに夫となる人でした。
■ “罠”にかかった彼
実はあのとき、私はわざとゆっくり歩いていました。
「声をかけてくれるかも……」と、心のどこかで期待して。
そして見事に“罠にかかった”のが彼。笑
でもここからが予想外でした。
私は「じゃあカフェでも行く?」と誘われると思っていたのに、彼は「では」と帰ってしまったのです。
あとで聞くと、
「いきなり誘うと怖がられるかなと思って」
と気を遣ってくれていたとか。
……もう、優しすぎません?
■ ただの暇つぶしから
その後は、体調が悪い日に思い出してLINEしてみたり。
街コンで怖い人に絡まれたとき、電話で話を聞いてもらったり。
彼はいつも軽やかに受け止めてくれて、都合のいい私のLINEにも嫌な顔ひとつせず応じてくれました。
「本気の恋愛は重い」
「でも支えてくれる人は欲しい」
そんな矛盾だらけの私の心を、彼は否定せずに受け止めてくれたんです。
■ 謎ルール「仮付き合い」
LINEでやりとりが続き、少しずつ距離が縮まった私たち。
でも私は「付き合ったらキスしないといけない」「体の関係も怖い」など強迫観念だらけ。
だから勝手に「仮付き合い」という謎ルールを作って、彼に押しつけていました。笑
ところが数日後、彼がはっきりとこう言ったんです。
「そういうのは嫌だから、もし本気じゃないならやめよう」
私はドキッとしました。
でも、離れてほしくなかった。
だから「じゃあ付き合う」と答えました。
仮は外れて、本当の恋が始まった瞬間です。
■ 強がりの仮面を外す
当時の私は、ギャルファッションに身を包み、強気な態度をとっていました。
本当は不安定で、人に頼るのが怖いのに、悟られたくなくて。
そんな私に、彼は「そのままでいいよ」と寄り添ってくれました。
強がりの仮面を外して、本来の優しい自分を出せたのは、彼のおかげです。
■ 突然のドクターストップと入院
でも現実は甘くなく、仕事のストレスと心の病でついにドクターストップ。
出会った12月、付き合った1月、そして2月には強迫性障害の診断を受けて、他県の病院に入院しました。
「嫌われるかもしれない」と怖くて隠していた病気のこと。
けれど彼は、詳しく聞いてこない優しさで見守ってくれました。
だからこそ、私から少しずつ話せるようになったんです。
■ 普通の奇跡は続いていく
ほんの数ヶ月の間に、
街コン中止 → 仮付き合い → 本当の付き合い → 入院。
嵐のような展開の中でも、彼は変わらずそばにいてくれました。
これは派手なラブストーリーじゃないけれど、
私にとっては「普通の日々の中に咲いた奇跡」でした。
✍️ 次回は「入院生活と彼の支え」。
病室の窓から見えた風景と、彼の言葉が、私をどんなふうに支えてくれたかを綴ります。
